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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻4号

1956年04月発行

文献概要

特集 第9回日本臨床眼科学会号 〔一般講演〕

(12)慢性トラコーマの血清蛋白像よりみたる免疫の問題

著者: 武本吉浩1

所属機関: 1千葉大医学部眼科学教室

ページ範囲:P.645 - P.648

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緒言
 トラコーマは先般W.H.O.国際トラコロマ専門委員会において1)「トラコーマとは特種な伝染性角結膜炎であつて,常に慢性に始まり,現在クロミドツオア,トラコマテイスと分類される病原体に原因し,濾胞の形成,乳頭の増殖,角膜パンヌスの発生を特徴とし特に瘢痕の形成を伴うことのある疾患である。」と一応定義されており,従来もウイールス感染症と考えられておることから,トラコーマについての免疫の問題は古くから,研究が行はれているが,一般的にトラコーマの恢復はあとにimmunitasを残さず,再感染がしばしば見られると考えられておる。血清学的な研究はあまり進んでいない。
 今日の免疫学は,抗体の化学的本性として一般に抗体は修飾された血清グロブリンであると理解し,特に抗体はγグロブリン分劃に多く集ることも知られておる。又,最近,Tiseliusの電気泳動法の発見によつて,血清蛋白分劃が正確且つ容易に出来るやうになり,眼科領域においてもトラコーマに関する報告が見られるに至つた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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