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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻4号

1956年04月発行

文献概要

特集 第9回日本臨床眼科学会号 〔一般講演〕

(15)興味ある組織像を示した眼窩腫瘍の一例

著者: 村田博1

所属機関: 1福島医大眼科

ページ範囲:P.663 - P.666

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 細網内皮系統の腫瘍については1928年Oberlingが初めてReticulosarcomなる言葉を使用し,Rossle及びRouletは本系統の細胞を細網細胞と内皮細胞に区別し,前者をEndothelに対比せしめる意味でRetothelと呼び,之に由来するものをRetothelsarcomと命名した。其の後本系統に関する研究は蹠をついで現れ,de.Oliveira,Verhagen,Robb-Smith等の研究があり,我国でも長与,緒方,赤崎等の研究をはじめ眼科領域に於ては藤井,田川,田坂,高橋,中島等,最近では倉富により報告されている。又,所謂細網腫については最初Komockiによつて記載され我国では吉田の報告例もあるが,赤崎は本腫瘍が理論的には存在し得るが実在するか否かについては慎重を要すると述べている。最近私は細網肉腫と呼ぶには余りにも経過が長く臨床像も組織像もずつと良性の感じのする,又,炎症と呼ぶにもふさわしくない,興味ある眼窩腫瘍の1例に接したので茲に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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