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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻4号

1956年04月発行

文献概要

特集 第9回日本臨床眼科学会号 〔一般講演〕

(18)詐盲の研究—(その1)詐盲発見の新考察

著者: 楢崎嗣郎1

所属機関: 1慈恵会医大眼科教室

ページ範囲:P.675 - P.679

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I.緒言
 著者が東京労災病院で過去1ヵ年間労災患者の障碍等級の認定を行つて痛感したことは,1)詐盲患者が非常に多いこと。しかも大多数の眼科医が詐盲に無関心であること。しかしこのことは外傷眼の予後を正確に知るためにも,或は又障害等級の正確な査定をする上からも非常に重要なことと思われる。2)従来の詐盲検査法は0.1以下の視力を訴える様な高度の視力障害には余り成績がよくなかつた。しかし著者の病院の様な所では成る可く真の視力を出さねばならないので,この点今迄非常な困難に遭遇していた。3)従来の詐者検査法は一貫したデーターを基礎とした系統的分類及びそれらの優劣を討したものがなかつた。そこで患者は偏光フイルターを応用して新しい詐盲検査法を考案し,従来のものよりも優れた成績を得たので発表する。さらにこの偏光フィルター法(以後偏光法と略称する)をも含め,従来の詐旨検査法の中から適当なものを5種含めて,3)の目的のために,ここでは0.1以下の高度の視力障害を訴えるものと,0.1以上0.6以下の視力障害を訴えるものに分けて,各々の検査法の成績を比較検討した。そうして0.1以下の場台は何れの方法が有効であり,0.1以上の場合には何れの方法が好いかを系統立ててみた。
 尚今度は主として眼科の所見,症状のみを主として判定したので,外傷性神経症或は外傷性ヒステリーをも含めた広義の詐盲を対称にした。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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