icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻5号

1956年05月発行

文献概要

臨床実験

山口県下に於けるコレプトスピラ症による眼症に就て

著者: 大石省三1 長谷川文吾1 森重史郞2

所属機関: 1山口医大眼科 2宇部市森重眼科医院

ページ範囲:P.869 - P.872

文献購入ページに移動
 第49回中国四国眼科学会の席上,大石が述べた「山口県下の眼疾患の特殊性」の中で,本県西部地帯に不明の熱性疾患後に来る硝子体溷濁症のあることにふれた。その際広島の土谷氏が広島県にも同様の疾患が北部の数ヵ村に見られることを追加され,中国四国眼科学会としてその本態の究明を行うべきであると提案した1)
 偶々第58回日眼総会に於て,高知県下の葡萄膜の大半がレプトスピラ病後の眼後発症であることが報告され,静岡県下の本症に永年研究をつゞけられている雨宮氏の追加があり,其診断にはレプトスピラ株各種について血清学的検査を行うことを強調されたので,2)我々も疫学的に同一の方法で菌型の決定を高知県立衛生研究所に依頼して検索したところ,過去一カ年に15例の症例を得,就中犬型レプトスピラ(Leptospira canicola)の4例を含み,この点に関しても我国の文献は犬型レによる眼症の記録を見ないようである。そこで今回は予報的に山口県下にも確実にレ症による後発眼症の存在することを記載し,症例中,興味のある2,3の点を略述し,疫学的事項の詳細に就ては更に長期間の襯察を継続してから行う予定である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?