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臨床実験
新点眼麻酔薬オノカインの使用経験
著者: 竹内英夫1 佐藤ミナ1 藤岡敏彦1 池田裕1 越智通成1 吉田テイ1
所属機関: 1北海道大学眼科
ページ範囲:P.897 - P.899
文献購入ページに移動しかし乍らコカインは麻薬取締法規の拘束を受ける許りでなく,点眼時に於げる灼熱痛,角膜の傷害,瞳孔散大等の副作用は決して等閑視し得ないものであり,このためコカインに代るべきより良い点眼麻酔薬の出現が期待されて居た。1931年,Hochst会社から発表されたパントカインは,コカインの優秀な局所麻酔効果にも拘らず存在する中毒の危険を避けるものとして,更に角膜傷害を起さない麻酔薬として大いなる期待を以て迎えられたのであるが,矢張りコカインと同様点眼時に灼熱感があり,更に屡々結膜充血と浮腫が持続する,そしてこの充血は同量の麻酔度ではコカイン使用の時に比して強く,多くの眼科医に依り,パントカィンは眼球外手術に於てのみ使用さるべきであつて,眼球用手術ではコカインが麻酔剤として撰ばるべきであるとされている。
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