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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻5号

1956年05月発行

文献概要

臨床実験

新点眼麻酔薬オノカインの使用経験

著者: 竹内英夫1 佐藤ミナ1 藤岡敏彦1 池田裕1 越智通成1 吉田テイ1

所属機関: 1北海道大学眼科

ページ範囲:P.897 - P.899

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 新しい点眼麻酔薬が合成された時には,必ずコカインと比較検討され陶汰されて来たが,それ程コカインは長い間強力な麻酔剤として,揺ぎない地位を占めて居た。
 しかし乍らコカインは麻薬取締法規の拘束を受ける許りでなく,点眼時に於げる灼熱痛,角膜の傷害,瞳孔散大等の副作用は決して等閑視し得ないものであり,このためコカインに代るべきより良い点眼麻酔薬の出現が期待されて居た。1931年,Hochst会社から発表されたパントカインは,コカインの優秀な局所麻酔効果にも拘らず存在する中毒の危険を避けるものとして,更に角膜傷害を起さない麻酔薬として大いなる期待を以て迎えられたのであるが,矢張りコカインと同様点眼時に灼熱感があり,更に屡々結膜充血と浮腫が持続する,そしてこの充血は同量の麻酔度ではコカイン使用の時に比して強く,多くの眼科医に依り,パントカィンは眼球外手術に於てのみ使用さるべきであつて,眼球用手術ではコカインが麻酔剤として撰ばるべきであるとされている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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