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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻5号

1956年05月発行

文献概要

臨床実験

油性ペニシリンの注射に因る網膜中心動脈栓塞

著者: 浦山晃1 佐久間昌彦1

所属機関: 1東北大眼科

ページ範囲:P.904 - P.907

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 著者の一人浦山は,さきに「骨折の際に見らるる眼底変化」と題して所謂Purtscher氏病の再吟味を行い,眼部脂肪栓塞に関する知見を発表した。この種の栓塞は必ずしも体内脂肪組織にのみ由来するとは限らず,体外性の脂肪性物質に因り起つても支えはないわけである。恰もその頃,注射薬としてのペニシリン油剤が国内に普及せられつつあつたので,それに因る障碍が或いは起りはしまいかと秘かに注意していたところ,他科領域では下肢動脈に誤つて刺入されて生じた脂肪栓塞例が散発的に報告されたが,眼科領域では幸にも報告に接することがなかつた。撚るに最近に及んで偶々油性ペニシリンの注射に際し起つた網膜中心動脈栓塞の一例に遭遇したのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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