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臨床実験
外傷性毛様体解離の3例に就て
著者: 荻野紀重1
所属機関: 1横浜大学眼科
ページ範囲:P.921 - P.925
文献購入ページに移動外傷性毛様体解離は一般に眼球挫傷に際し見られるものであるが,前房隅角視診法の発達以前には,殆んど総て重篤な外傷の為に摘出された眼球で,病理組織学的検査により発見されたものである。従つて報告例も稀であつて,我国に於ては小口,中島氏が発表しているに過ぎない。
処で,前房隅角診断法により,臨床的に前房隅角の詳細な検査が行い得る様になつて以来,外傷性毛様体解離も日常の検査で発見する事が可能となつた。此を始めて報告したのはTrantasであると言われるが,詳細な報告はSalzmannによりなされ,以後数氏が記載しているが,報告は外国に於ても比較的少く,我国に於ては未だ見られない。
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