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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻7号

1956年07月発行

文献概要

臨床実験

九州人における眼瞼と角膜の位置的関係について

著者: 塩谷信一1

所属機関: 1熊本大学医学部第二解剖学教室

ページ範囲:P.1076 - P.1082

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 I.
 眼瞼の生体学的研究については,古くから多くの報告があり,瞼裂と眼球の位置的関係についても,1926年Reitschは独逸人について瞼裂の大いさ,瞼裂の形状との関係が年齢的に次第に変化することを述べている。即ち初生児では瞼裂間に比して角膜は過大で瞳孔は下眼瞼縁にあり,角膜上縁は上眼瞼縁に近いか又は若干蔽われている状態である。即ち内外両眼角部を結ぶ瞼裂方向線は,瞳孔又はそれより上位にあるが,以後年齢の進むにつれて瞼裂方向線は,瞳孔より下位にある様になり,角膜下縁は次第に下眼瞼縁に接近し,又角膜上縁は上眼瞼によって著明に蔽われて来る。従って鞏膜も充分露出して見えて来る。
 成人期を過ぎて老人期に至ると,瞼裂方向線は瞳孔を遙かに離れる。この様に瞼裂方向線は,年齢の進むにつれて眼球に対して次第に降下して行くので従つて,例え眼球は眼窩に対しては殆ど移動しないとしても瞼裂に対する位置は年齢的に変化を示すことになる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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