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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻7号

1956年07月発行

臨床実験

先天性心臓疾患にみられた網膜チアノーゼの一例

著者: 小島芳子1

所属機関: 1名古屋市立大学眼科教室

ページ範囲:P.1089 - P.1092

文献概要

 先天性心臓疾患に際して全身チアノーゼを招来すると同時に網膜血管,殊に静脈の高度なる拡張チアノーゼ着色を呈する症状を,1863年,Lieb-reichが初めてCyanosis retinaeと命名して以来時汝その報告が見られ,その後,心臓障碍を伴わぬ真性赤血球増多症に於ても同様な所見が現われる事が知られ,我が国に於ても,広石氏1)(1929)の報告第一例以来,追々その報告例をみているが,しかし全部でも未だ7例にすぎない。即ち真性赤血球増多症にみられる網膜チアノーゼとしては広石1)(1929),大橋・岡田2)(1938),太田3)(1951)三氏の症例,心臓疾患によるものとしては野崎4)(1931),浅田5)(1934)(本例は後天性心臓弁膜疾患,殊に僧帽弁閉鎖不全症によると。)陳6)(1939),黄7)(1944)氏等の4例である。私共も最近,所謂Fallot四徴と思われる先天性心臓疾患々者の眼底に網膜チアノーゼを見出したのでここに追加報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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