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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科10巻7号

1956年07月発行

文献概要

日本トラホーム予防協会会誌

「トラコーマ」と「トラホーム」

著者: 千葉保次

所属機関:

ページ範囲:P.1143 - P.1144

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 この10月,日本トラホーム予防協会の再出発についての通知を受けた時,現在では「トラホーム」という呼名を「トラコーマ」と改め,日本トラコーマ予防協会として発足すべきではないかと直感したのであつた。
 言うまでもなく眼科学会では「トラコーマ」の呼名を用いている。これは昭和5年,日本眼科学会で学術名を「トラコーマ」に統一したのに始まる。医学の独立によつて之が進展を期するためには,医学用の国語の整理統一が必要となることに日本限科学会は当時既に著眼し,卒先之を断行して他の医学に先鞭をつけたのであつた。かくて従来,汎く用いられていたドイツ語のTrachom「トラホーム」は廃止されて,世界的術語であるラテン語のTrachoma「トラコーマ」に改められたのである。当時「トラホーム」という慣れた言葉を批棄するに就ては,議論もあつた様で,術語の決定後にも筒久しく此の改名に従つていない範囲もあつた。然し己に眼科学会の決議を経た事である以上,之を用いるのが正しい態度である。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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