文献詳細
文献概要
日本トラホーム予防協会会誌
最近5ヵ年間に於ける宇部市小中学校生徒のトラコーマの推移について—宇部市小中学校生徒のトラコーマ研究(第8報)
著者: 佐々木佐1
所属機関: 1山口医大眼科
ページ範囲:P.1197 - P.1204
文献購入ページに移動 昭和25年4月の宇部市内小中学校生徒のトラコーマの検診を担当して以来,既に満5年を経過した。最初の報告で,小学校15.5%,中学校20.0%の数値を得,平均16.3%罹患率であつた。その後当市でも一般生活の改善,保健衞生の向上,環境の整備等,種々の因子がいずれもよくなる一方,学校に於ける保健教育の徹底,養護訓導等による集団治療の実施等もあり,他方眼科医の献身的の努力もあつて,昭和29年の検診に於ては,平均小学校4.4%,中学校6.1%と罹患率の激減を示し,平均値4.8%を得るに至つたのであるが,之を,更に吟味し,検討することによつて,現在問題になつているトラコーマ発症の因子に関する見方,学童のトラコーマ対策,或は集団的トラコーマ治療批判等を行い得る資料を提供することになると考え,推移の大要を統計的に述べたいと思う。
掲載誌情報