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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻1号

1957年01月発行

文献概要

臨床実験

蜘蛛膜下出血死に先駆した嚢腫腎による網膜出血

著者: 小原博亨1 阿久津燈義2 長屋幸郎1 大橋克彦1 渋谷聰1

所属機関: 1名古屋鉄道病院眼科 2名古屋大学医学部眼科

ページ範囲:P.40 - P.45

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1.緒言
 嚢胞腎(Cystenniere)例に於ける網膜出血の報告は未だ聞かない。理論上起り得る事のようであるが,其の報告に接しないのは,嚢胞腎例其のものが比較的稀な為でもあり,又たとえあつても他の症状におおわれて,眼底疾患を観察する機会が少いがためであるかとも考えられる。私共は腹部腫瘍の診断の下に入院中の患者を偶然診察する機会を得て,網膜に出血性変化の有る事を知り,経過観察中に蜘蛛膜下出血を起して不幸な転機を取つた例があり,剖検の結果,両側腎臓が高度の嚢胞腎であり,その出血性変化が嚢胞腎に多分に関係ある可きを想定し得る例に接した。又,蜘蛛膜下出血に先駆して網膜出血を起しているのを発見されているのは寡聞にして未だこれを聞かないので敢て報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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