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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻10号

1957年10月発行

文献概要

日本トラホーム予防協会会誌

ロイコマイシンによるトラコーマ集団治療及びそのアレルギーについて

著者: 三宅正夫1

所属機関: 1慈恵医大眼科

ページ範囲:P.71 - P.81

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 ロイコマイシンは北里研究所秦藤樹氏が放線状菌Streptomyces Kitasatoensis Hataから分離した新抗生物質でその性質と有効範囲はエリスロマイシン,カーボマイシン等に近いがそれ等とは異なつた物質であると云はれて居り,最近トラコーマ(以下トと略す)治療に効果ありとの報告を見る。本剤の長所は酒石酸塩が可溶性で患者の自宅点眼に便あり,然もその溶液は安定でpH4以上では室温で3カ月間殆んど力価が変らない。酒石酸塩化溶液のpHは50mg/ml…4.22,1mg/ml…5.04,10mcg/ml…6.23である。0.5%生食溶液のpHは5.4とされて居る。
 私は昨年夏神奈川県H市内の某小学校(以下H校と略す)の学童を集団検診した結果疑ト乃至トと思われ,治療を要すると認めた者に各種抗生剤を使用してその治療効果を検討した事があった。その中69名にロイコマイシン(以下L.Mと略す)を使用したがその副作用が甚だ高率である事を認めた。更にその後同県A市内の某女学校(以下A校と略す)トラコーマ生徒にL.Mを使用して主としてその副作用につき調査して見たが一応こゝに報告しようと思う。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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