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臨床実験
トノグラフイーの臨床(第5報)—眼圧日差に就て(その1)
著者: 景山万里子1
所属機関: 1東京警察病院
ページ範囲:P.1259 - P.1270
文献購入ページに移動眼圧に日差があり,特に緑内障患者に日差測定の重要なる事は,現在周知の事実となっている。これは1904年Maslenikowが発見して以来,Köllner (1916),Thiel (1923,1925),Löhlein(1926)等の業蹟によつて確立されたもので,眼圧は早朝起床前に最も高く,その後,就床迄漸次下降するという見解が一般に認められていた。その後Hagen (1924),Sallmann u.Deutsch (1930),Cordes (1937),Downey (1945),Kellerman(1947),Reese (1948)等の追試があり,更にLangley u.Swanljung (1951)によつて型についての修正が行われた。日差の値については,正常値の限界を略々4〜5mmHg (S)とするのが多くの研究者の認める所となつているが,緑内障については尚,かなりの異論がある。
一方,眼圧日差と,房水流出,産生の関係を調べたものにtonographyによるGrant (1954),Roetth (1954),Horwich u.Breinin (1954),Stepanik (1954)の報告があるが,我が国では岸本氏が房水静脈についての論文(1956)で,これに触れているのみである。
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