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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻10号

1957年10月発行

文献概要

臨床実験

水平斜視の手術について

著者: 佐藤勉1 加齢和男1

所属機関: 1順天堂大学

ページ範囲:P.1279 - P.1293

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I.前書
 以前我々は水平斜視の手術は次の如く行つて居た。すなわち強い筋に後転(筋を鞏膜に縫合せず)を行いその力を弱め,これに斜視角X度の効果を期待する。またMeller (J.Meller,J.Böck:Augenärztliche Eingriffe,Wien)の方法で作用の弱い拮抗筋に前転術を施してその力を強め,前転にはY度までの効果を期待する。単一な手術では効果不足な場合が多いから,両者を併用してX+Yの矯正量を獲得する。手術に当り前転糸を締める時に患者に両眼で正面を見させ,手術者の目測で視線が平行になるまで糸を締める。Mellerの前転法は筋がずれて効果が若干減じるものであるから,幾分の後退を予想してやや過矯正気味に糸を締めておく。
 佐藤は1954年の外遊で欧米の手術を見て廻つたところ,斜視は全部全身麻酔で行われて居た。これでは正面をみさせて糸の締め具合を加減する事は全然出来ない。ロンドンのT.Keith Lyleに至つては手術後斜視眼がどう向いたか改めようとしなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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