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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻10号

1957年10月発行

文献概要

臨床実験

v.Hippel-Czermak病の1例

著者: 瀨尾孝之1 高石敏2

所属機関: 1日本医科大学眼科学教室 2日本医科大学解剖学教室

ページ範囲:P.1295 - P.1297

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 v.Hippel-Czermak病は網膜に極めて特異な変状,すなわち網膜動静脈が極度に拡張して健常網膜血管の数倍の太さとなり,その走行も迂曲蛇行して宛ら長蛇の這えるが如き観を呈すること,及び拡張した動静脈血管の色調は健常眼底の動静脈に甚だ相似して両者の識別が容易ならざること,さらに網膜表面にはやゝ隆起した赤色嚢腫状物(血管腫)を認め,動静脈血管が之に連絡していること,眼底が一般に帯黄灰白色を呈し所々,ことに周辺部並に血管附近に大小不規則な白色の斑点(グリアの増殖)を認めることなどの特徴を有する網膜疾患で,1903年v.Hippelにより詳細に報告されたものである。v.Hippel以前にもE.Fuchs (1882),Darier (1890),Treacher・Co-llins (1893),Goldzieher (1899)らの報告があるが,これらはただ概して珍らしい眼疾患として取り扱つたに過ぎないが,1903年v.Hippelが本症に就て精細に発表し,同氏はさらに1911年再び解剖所見に就て詳報したことにより爾後v.Hip-pel病と呼称されるようになつた。これより先Czermakもその解剖的所見を報告しているためv.Hippel-Czermak病又はCzermak-v.Hippel病と呼ばれている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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