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臨床実験
閃輝性暗点症と夜盲を合併した症例について
著者: 本多英夫1
所属機関: 1名古屋市立大学眼科
ページ範囲:P.1435 - P.1438
文献購入ページに移動緒言
閃輝性暗点症の原因は現在尚明らかではないが,最も広く支持されているものは,大脳の血管運動障碍説Charcotであらう。此の考えでは,前駆症状即ち暗点は,後頭葉の動脈がその血管運動障碍に依つて貧血を起す事に原因し,その後に起る頭痛は恐らく浮腫を伴う大脳及び脳膜の血管の充血であらうと云うのである。此の様にその原因を血管運動障碍に求めると,発作が一過性である事発作時に顔面が蒼白になつたり又逆に紅潮したりする事,更に稀ではあるが発作時に網膜中心血管が異常に拡張或は収縮する事の説明がつき易い。更にGraham and Wolf (1935)等は実験的に頭痛の強さと,血管の脈動の量との関係を見出したと謂う。
然し実際上の問題として,閃輝性暗点症の発作時に,脳の血管運動障碍を観祭する事は,症状が発作的に起り,発作が去つて或る時間が経過すると全く異常を見出し得ないと謂う性質,又一方では血管運動障碍の適当な観察法のない現在,個々の症例に就いての研究は可成り困難であらう。
閃輝性暗点症の原因は現在尚明らかではないが,最も広く支持されているものは,大脳の血管運動障碍説Charcotであらう。此の考えでは,前駆症状即ち暗点は,後頭葉の動脈がその血管運動障碍に依つて貧血を起す事に原因し,その後に起る頭痛は恐らく浮腫を伴う大脳及び脳膜の血管の充血であらうと云うのである。此の様にその原因を血管運動障碍に求めると,発作が一過性である事発作時に顔面が蒼白になつたり又逆に紅潮したりする事,更に稀ではあるが発作時に網膜中心血管が異常に拡張或は収縮する事の説明がつき易い。更にGraham and Wolf (1935)等は実験的に頭痛の強さと,血管の脈動の量との関係を見出したと謂う。
然し実際上の問題として,閃輝性暗点症の発作時に,脳の血管運動障碍を観祭する事は,症状が発作的に起り,発作が去つて或る時間が経過すると全く異常を見出し得ないと謂う性質,又一方では血管運動障碍の適当な観察法のない現在,個々の症例に就いての研究は可成り困難であらう。
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