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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻12号

1957年12月発行

文献概要

臨床実験

主として中心性網脈絡膜炎に対するCardinonの使用経験

著者: 上野弘1 佐々本昌弘1 駒井昇一郎1

所属機関: 1京都府立医大眼科

ページ範囲:P.1463 - P.1468

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1.緒言
 諸種眼疾患に対する血管拡張剤の効果が,最近,諸家によつて報告せられている。就中,カリクレインに就ては,中心性網脈絡膜炎(Elwyn,三国,中川等),高血圧症(小島,植村,水川,佐々本等),諸種網膜動脈疾患(中路,藤田),網膜色素変性症,眩輝性暗点症,その他に奏効することが知られている。従つて,このカリクレインと同一系統に属する循環系ホルモン剤と考えられるCardinon (以下Cと略する)が上記の眼疾患に何等かの,或は類似した効果を示すであらうとの推定が容易に成立する。既に柿栖はCを2例の中心性網脈絡膜炎に使用して効果を認めている。私共も,今回,主として中心性網脈絡膜炎に本剤を用い,著効の見られた症例が可成りの数に及んでいるので,茲に報告し,同時に本症の疾病本態に就ての未解決部分を,Cの作用機転の側から些か論じてみようと思う。Cの使用経験成績に関して,昭和31年11月近畿眼科学会に於て既に発表したのであるが,その後,治験例を多数追加しえたので,併せて茲に綜括報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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