icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻13号

1957年12月発行

文献概要

特集 トラコーマ 綜説

結膜濾主胞の研究(第1報)—トラコーマの濾胞圧出標本における細胞の種類について

著者: 松尾信彦1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.1599 - P.1603

文献購入ページに移動
I.緒言
 結膜濾胞は乳頭増殖,瘢痕形成,パンヌス及びプロワツエツク小体と共にトラコーマにおける主要症状の一つであつて,既に先人により多数の詳細な研究業績が発表されている。しかしながらトラコーマ以外の疾患においても濾胞の発生がみられ,新美氏は生理的に人体内に存在することもあり,又種々の刺戟に対する防禦反応として生体内に新生することもあると述べ,樋渡氏は人結膜の濾胞はすべて外界の刺戟に対する病的反応であるという。従つて濾胞はトラコーマに重要な症状ではあるがトラコーマに不可欠のものでもなく又特有なものでもない。
 殊に最近トラコーマ治療法の進歩により早期にトラコーマが治癒に向つた場合に所謂結膜濾胞症と区別し難い症例が多くなり両疾患にみられる濾胞の関係については多くの議論がある。かくの如く結膜濾胞に関しては術多数の興味ある問題が堆積されている。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?