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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻13号

1957年12月発行

文献概要

特集 トラコーマ 綜説

トラコーマの免疫学的研究—(其の一)トラコーマ患者の補体結合反応に就て,他

著者: 柏井忠夫1

所属機関: 1京都府立医大

ページ範囲:P.1604 - P.1620

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緒言
 1950年荒川,北村氏が,始めてトラコーマ(以下トと略す)病毒をマウス脳に分離固定に成功し,更に,これらの病毒の孵化難卵培養が可能である事を発表した。更に上野等は,同様な方法でト病毒の固定に成功し,更に,同固定毒を,マウス脳内,並に腹腔内に接種する事により,脳,肺肝にヴイルス(以下ヴと略す)性炎に一致する病理組織学的所見を証明し,同固定毒の感染は,全身性のものであり,ヴィレミーの基盤の上に成立するものと推定し,高橋は,早期ヴィレミーなる事を,動物実験にて,証明した。
 以上,トも多くのヴ性疾患と同様,病変は,一局部に限局していても,トに対する抗体が,血清中に存在する事が推定されるのであるが,Romer(1908)以来,多くの学者が,生体内の抗体産生の事実を証明しようとして,多大の努力を払つて来たのにも拘らず,今尚満足すべきものが出来ず,抗原抗体反応を臨床的に応用するまでには至つていない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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