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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻13号

1957年12月発行

文献概要

特集 トラコーマ 綜説

トラコーマの一生

著者: 国友昇1 小橋廉一郎1

所属機関: 1日大眼科

ページ範囲:P.1621 - P.1626

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1)緒言
 トの初発から終末までの連続した臨床的な経過——即ちトの一生を知りたいというのは,私共の多年の願望であつた。その中でも最も不明の点が多いのは,トの初発即ちトの誕生であつたが,之はト有病率12%の東京近郊地区で,初生児約100名の結膜の変化を連続して現在まで約3カ年半観察することによつて,大体のことを知ることができた1)2)。それで次には,このようなトの誕生がK地区だけに限られたものであるか,それとも日本のトの初発に普遍的な事実であるかを知るために,それぞれト有病率が異なる日本各地(埼玉県金子村3),秋田県花岡町及びその周辺部落,長崎県五島福江市崎山及び長手地区4)その他)で乳児及び幼児の結膜の所見をしらべた。その結果はK地区に於て確認することができたトの初発の状態が,そのまま他の地区のトにも当篏ることを知つた。
 そこで我々はこのようにして初発したトが,どのような経過をたどつて学令期児童のトとつながるかを知る為に,前記K地区における生後3力年半の連続観察の経験を基調として,0才〜6才の乳幼児の結膜のト性変化の推移について,日本各地において検診観察した3)4)5)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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