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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻13号

1957年12月発行

文献概要

特集 トラコーマ 綜説

トラコーマ及び健康眼における細菌の分布

著者: 赤木五郞1 筒井純1 難波龍也1 清水博1 錦織博1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.1664 - P.1668

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 トラコーマ(以下Tr)眼に関する細菌学的の研究は過去多くの人々によつてなされている。Egypt, Tunis, Morocco等のTrの多い国に於てはTrに合併する流行性結膜炎の影響が非常に大である事が報告されている。(Mac Callan1),Pages2),Poleff3))こうした国々ではTrに罹患する子供の多くは,それに先行して急性結膜炎に罹患している。Koch-Wesek菌による結膜炎は中でも最も高率に発生していると云う。Trか屡k細菌の混合感染を受けて悪化し病原菌とTr.Virusの両者が重なつて症状の上に影響し合つている事は事実である。Trが自然治癒を営み得る疾患である事は広く認められて居る4)が実際には衞生状態の低い人々の間には長い間治癒しないTr.が沢山存在している。これには何か此の疾患を長引かせる様な要因があるのに違いないけれど,細菌の混合感染もその一つの因子と考えられる。然しながら細膜嚢に寄生する細菌の多くのものは非病原性である。Harrison, Julianelle5),Feigenbaum6)によればTr.結膜に寄生する細菌には特有なものはなく正常結膜と殆んど変らない様なものが出現すると云つている。
 我々はTr.の発病が急激であるか,除kであるかと云う問題に関しても,Tr.細膜に存在する細菌がどの様な影響をあたえているかと云う事に興味を感じた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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