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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻2号

1957年02月発行

特集 第10回臨床眼科学会号

一般講演

(9)眼疾患における血清リポプロテインについて—特に高血圧症における観察

著者: 菱実1

所属機関: 1東大分院眼科

ページ範囲:P.151 - P.155

文献概要

緒言
 近年の死因統計に於て循環器系疾患,殊に脳動脈硬化及び冠動脈硬化によるものが主位を占め,動脈硬化症特に粥状硬化症の成因に脂質代謝の異常が早くより強調され,更に最近は血中の脂質の状態の異常に研究が向けられて来た。即ちSteiner等はCholesterine/燐脂質の比の高いもの,Gofman等は超遠心法を用いSf (Svedberg単位)10〜20の部分が血中に増加しているもの,BarrはCohnのAlcohol分割法によりAlbumin及びα-Lipoproteinの低下とβ-Lipoproteinの増加する事を指摘したが,更に濾紙電気泳動法の応用により動脈硬化症に於てβ/α Lipoprotein(Lipoprotein Index:LI)値が上昇する事が示された。
 さて,網膜静脈血栓症がその血栓は臨床上殆んど大部分のものが動脈硬化症のある症例に起り,殊に動静脈の交又部に発しておる事を見ればその発生病因は殊に血管壁の器質的変化に関係あることが推測され,従つて血液成分のあるものとも密接な関係あることが予想される。この意味から筆者は高血圧患者及び網膜静脈血栓症患者の血清Lipoproteinを測定したが,その成績は次の如くである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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