icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻2号

1957年02月発行

文献概要

特集 第10回臨床眼科学会号 一般講演

(18)濾紙電気泳動法による眼疾患の蛋白泳動像の研究—第3篇結膜内分泌液蛋白の研究

著者: 竹田静香1

所属機関: 1岡山大学医学部眼科

ページ範囲:P.199 - P.204

文献購入ページに移動
I 緒言
 1948年Smollens Leopold Parker1)等はTi-selius式の電気泳動法によつて,プールした涙液の蛋白分屑の研究を行つた。氏等は涙液に4つの分屑を認め,1つの分屑が陽極側へ他の3分屑は陰極側へ泳動し,陰極側へ泳動する3分屑にly-sozymeの作用があると述べた。併し氏等の後年の発表2)ではやはり4分屑を認めているけれど,陰極へ泳動するのは1分屑でそれにlysozymeが含まれ他の3分屑は陽極側に泳動すると述べた。
 濾紙泳動法を応用した研究は1955年Mc Ewen及びKimura3)によつて行われた。氏等は正常涙液には少くとも3つ以上の分屑があり,陰極側に泳動する物質は純lysozymeと同じ泳動性を示し,最も陽極側へ泳動する物質はalbuminと考えられ,中間に存在する物質は分離の困難な蛋白質の混合したものであろうと述べた。又20例の慢性結膜炎では正常分屑像を示すがKerato conj-unctivitis siccaではlysozyme分屑が欠除している事を認めた。更に涙液lysozymeは卵白lysozymeに比して電気泳動的及び酵素学的には殆んど同じ物であろうと考えた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?