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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻2号

1957年02月発行

文献概要

特集 第10回臨床眼科学会号 一般講演

(28)流行性角結膜炎の疫学的研究

著者: 畠山昭三1

所属機関: 1奈良医大眼科

ページ範囲:P.251 - P.256

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I.緒言
 急性,或は亜急性に経過する一種の結膜炎の為,角膜に点状表層性の浸潤を来す流行性の疾患に就いては,1889年オーストラリヤに於けるE.Fuchs1)の発見以来,Hans Adler2),A.v.Reuss3),Stellwag4), Dimmer5)等の報告が相踵いで起り,本邦に於いても,井上6),浅山7),山本8),宮下9)等の記載があり,何れもその疾患に個々別々の名称を与えていたが,1938年R.Schneider10)がこれら一連の疾患を総括しKeratoconjunctivitisepidemica (以下流角結と略す)と命名する事を提唱して以来,現在一般にこの名称が使用されている。
 又本疾患の本態に関しては,印度に於ける流行に遭遇したWright11)の接種試験から一種の濾過性病源体が考えられ,Sanders,Alexander12),Calkins,Bond13),荒川14),Maumenee15),三井,田中16),杉浦17)等の孵化鶏卵,或はマウスの脳内接種による本病毒の分離固定が成功し,現在ウイルスによる流行性の疾患である事が,略決定づけられているようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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