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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻2号

1957年02月発行

文献概要

特集 第10回臨床眼科学会号 一般講演

(44)涙腺部腫瘍に就いて

著者: 高安晃1 伊佐敷康政1 田之上虎雄1 松田禎純1

所属機関: 1鹿児島大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.342 - P.344

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 涙腺部腫瘍とは涙腺及びその附近の腫瘍を言う。初めて之を記載したのは1746年Börhaeveで亦初めて病理組織学的に検索したのは1876年V.Beckerが腺細胞の増殖及び間質組織の増殖を観て涙腺の腺腫と命名した。涙腺部腫瘍は比較的稀有なものであるが,その頻度に就いては全眼疾患、に対しSchäffer (1895)は0.004%,Mooren (1917)は0.0045%,Berlin (1917)によれば0.19%,Peter (1894)によれば眼窩腫瘍との比は30対1であると云う。庄司氏(1915)は0.006%,岸野氏(1932)は眼窩腫瘍の18.75%であると言う。私共が吾が国の文献中から得た724例中84例即ち11.60%に相当する。比較的稀有である事は昔から述べられているが,私共が調査した結果では眼窩内容組織から発生した事が判明した。
 腫瘍180例中84例が涙腺部から発生し,即ち46.67%を示している。即ち眼窩内容の中ではその首位を占めている。この様に涙腺に発生する腫瘍は他の眼窩内組織より発生する腫瘍に比しては比較的多い事になる。即ち涙腺は腫瘍発生の基地に適して居るとも考えられる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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