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特集 第10回臨床眼科学会号 一般講演
(58)緑内障に関する研究 第十三篇—Acetazoleamide (Diamox)の作用機転の本態に関する研究(其のI)
著者: 湖崎弘1 東郁郎1
所属機関: 1大阪大学医学部眼科
ページ範囲:P.373 - P.378
文献購入ページに移動1954年Becker1)が緑内障患者に利尿剤たる炭酸脱水酵素阻害剤acetazoleamide (Diamox)を用いて,眼圧下降作用のある事を見出して以来,Diamoxの臨床的応用及び研究が数多く発表されて来た。私達2)3)も既にその効果に就いて発表せる如く,現在Diamoxの緑内障に対する卓効性は広く諸家に認められ,重要なる治療薬として使用されている次第である。
併し勿ら,利尿剤であり,炭酸脱水酵素の阻害剤であるDiamoxが,如何なる機転で眼圧下降作用を示すかと云う点に関しては,現在に到るも尚完全に一致した見解に達していない。中でも最も広く信じられているのは,Becker,Kinsey等の説である。即ち重炭酸イオンが水先案内的役割を果すと云う房水産生に関するKinsey4)の分泌拡散説と結びつき,Diamoxが毛様体中の炭酸脱水酵素を阻害して,重炭酸イオンの後房中えの分泌を抑制し,従つて房水産生を減少せしめ,眼圧を下降せしめるとする説である。
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