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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻3号

1957年03月発行

文献概要

臨床実験

アレルギー性眼疾患に対するアミノ酸製剤の臨床治験例

著者: 柳田博子1

所属機関: 1大阪市立大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.430 - P.432

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 強力ネオミノフアーゲンC (以下SNMCと略す)は,Glycyrrhizinを主成分としてそれにCysteinを配したもので,抗アレルギー作用と同時にアルチユス現象抑制作用のあることが認められている。これ等の作用のうち,抗アレルギー作用の機序は全く不明であるが,抗アルチユス現象は畔柳によれば,SNMCは線維素溶解酵素系に対する抑制作用により,アルチユス現象時の線維素溶解酵素の賦活が阻止され,従つて血清CPP作用(Capillary permeability promoting acti-on)の出現が抑制される点にあるという。
 私は先に血液房水柵の透過性について種々研究を行うに際し,同時に結膜血管,全身毛細血管の透過性について実験考察を行つたが,明かにある種の眼疾患においては全身毛細血管透過性の亢進している状態を認めた。又一方畔柳等は,線維素溶解酵素系の賦活及び血清CPP作用を毛細血管透過性を左右する因子として重要視している。これ等の事実を合せ考えれば,恐らくSNMCはある種の眼疾患には有効であろうと思い,数種の眼疾患に応用し,その経過を観察し,効果の判定を行つたのでここに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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