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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻3号

1957年03月発行

文献概要

私の経験

近視の予防と文字の改革

著者: 石原忍1

所属機関: 1東大

ページ範囲:P.513 - P.515

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 大正5年から昭和12年までの文部省の統計では,大学の学生の50%以上が近視であつた。そのため大学卒業生の大部分が眼鏡をかけていた。それが外国で特に目立つたので,日本人の眼鏡が世界的に有名になつた。
 そこで近視予防の声が高まつて,井上達二博士は近視予防協会を結成する計画をすすめて居られた。その計画は関東大震災のために頓挫したが,日本人に斯くまで近視が増加したのは何故であろうか。おそらく漢字が複雑で読みにくいことと,印刷の文字が益々細かくなつたために,学生が書物を目に近づけて見ることが原因であろうと多くの者は推測した。このほか電灯の暗かつたことや,学校衞生の不徹底なども,近視の多発を促したようである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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