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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻3号

1957年03月発行

眼科新知識

Lichtkoagulation

著者: 秋山晃一郎12

所属機関: 1順天堂大学 2ボン大学

ページ範囲:P.516 - P.523

文献概要

 ボンで一番古風なWeinstube,"Streng"で,並々とついだモーゼル酒の杯を傾けながら,Meyer-Schwi-ckerathの話が始まります。"僕がLichtkoagulationとゆうアイデアを考え出したのは,1945年7月10日,日触を観察して黄斑部にヤケドを起した患者を診察した。丁度その時だつたよ"。そう言つた彼は,又杯を傾けては,私がトンボとアダナをつけた丸つちよい顔をゆさぶつて,ケラケラ笑うのでした。蝋燭の火がゆらゆらと,遙ぐとそれは何か大きな仕事をしている男のたくましい響きをもつて聞えます。
 今夜はDozent Dr. G. Meyer-SchwickerathのLichtkoagnlationについて報告いたします。文献をあさつて見ますと,成程彼がLichtkoagulationを一ぱしに完成するまでには,相当苦労したらしい跡がうかがえます。最初に彼は太陽光線を集めて家兎の眼底を焼きました。その後はアーク燈にかえ,一応成功したようには見えましたが,後で家兎にも人眼にも,多くの障害が発見されたそうです。例えば赤外線を含んでいた為に,水晶体に病変を起したり,又董外線を含んでいたために,角膜を障害して了つたりしたことです。Graefes Archiv1)にかかれているこれ等の経験により,光の強さ,照射時間,そして波長などを改良した結果,現在のような特殊な処方の炭素を用いたアークランプの製造に成功したそうです。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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