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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻4号

1957年04月発行

故中村康教授追悼号 原著

皮角について

著者: 中泉行信1

所属機関: 1日本医大眼科教室

ページ範囲:P.580 - P.582

文献概要

 皮角の定義というものは獸角に似た円錐形の突起を皮膚に生ずるものであつて,これには真性のものと偽性のものとに分けられる。真性には良性の腫瘍として発生するものと母斑をもととして発生するものと,伝染性疾患や機械的化学的の刺戟をもととして発生するものとがある。しかしいずれも孤立性に発生し,形も定形的な円錐形もしくわこれに似た形をとるものが多い。真の獸角の様に表面に横溝と縦溝とを有していて,円錐形であるけれども発育するにつれて彎曲するのが普通である。色は暗褐色又は褐色を呈して先端は変色して汚い紅色を帯びてくる。又多くのものは堅いが中には柔かいものがある。尚自発痛はないのが原則である。
 皮角という疾患は比較的まれな疾患であり,医学中央雑誌や眼科雑誌を調べてみても報告は少い。特に我が国の眼科では報告例が少いのである。1912年以来報告された23例の中,やや詳細な記載のあるものは石丸・鹿野・疋田・岩館・緒方の5例にすぎないのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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