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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻4号

1957年04月発行

文献概要

故中村康教授追悼号 原著

塩化ビニール安定剤によると思われた表層角膜炎

著者: 根本祐1 右田省三1

所属機関: 1日本医大眼科

ページ範囲:P.613 - P.616

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緒言
 薬物に依る角膜障碍の報告は既に多数例を見るが,近来化学工業の発達に伴い益々其の機会が多くなるのは当然の事と思われる。私共は,最近同一某化学工場から数人の同様な表層角膜炎の患者が多発したのに気付いた。そして種々調査した結果,塩化ビニール安定剤による角膜障碍であることを確める事が出来たので茲に報告する次第である。
 而して,此ゝに述べる塩化ビニール安定剤とは其の一種類の錫系安定剤である。その製造工程は第1表の如くにして,錫とナトリウムの合金にBuBr2を加えBu2SnB12としてそれにラニン酸ソーダを加えBr2を取つてBu2SuLr2とし,又苛性ソーダを加えBu2SnOとするものである。又Bu2SnBr2は不安定で温度により蒸化して粉末のBu2SnCl2となるのである。この3種類成分を錫系塩化安定剤として製品化するものである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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