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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻4号

1957年04月発行

文献概要

故中村康教授追悼号 原著

アイソトープの眼科治療学的応用—其の2 翼状片に対する応用

著者: 中泉行信1

所属機関: 1日本医科大学眼科教室

ページ範囲:P.680 - P.683

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1.緒言
 最近,眼科領域に於いて人工放射性同位元素による放射線治療が漸く行われ眼科治療に新しい分野が開拓されてきている。眼科疾患特に角膜疾患に対してはすでに長い間エツクス線及びラヂウムによるγ線及びβ線等の放射線療法や紫外線,赤外線,ヂアテルミー超音波等が用いられてきた。
 放射線療法としては放射線が角膜を通し深層に達して水晶体の退化現象を起し白内障を来たすおそれがある為に,表在効果があり深層効果のないものが望まれるのである。即ちβ線は透過力が少いために放射線によつておきる水晶体の退化現象を防ぐ事が可能なわけである。アイソトープの生産が可能になる迄はβ線は主としてラヂウムやラドン等の天然放射性物質から得て来た。しかし角膜疾患にラドンapplicatorを用いる場合にはラドンの半減期が3.81日という短期間であるのでラドンを定期的に補充しなければならず又γ線に対する保護措置が常に必要であるのであまり用いられてはいなかつた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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