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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻5号

1957年05月発行

文献概要

臨床実験

眼手術後鎮痛剤としてのノブロン注の応用

著者: 吉田正司1 小林守治1

所属機関: 1東北大学眼科

ページ範囲:P.799 - P.804

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 眼科領域に於ける手術,特に眼球内手術の場合,我々は特殊の例を除いては術前に局所麻酔剤等を点眼使用することが多く,その際,患者の疼痛は手術中或は手術直後には無自覚か或は極く軽微であつても,術後時間の長ずるにつれて漸次その程度を増して来るのが普通である。特に虹彩切除等の如く,術中より既に激しき疼痛を訴え易きものにあつては,術後の疼痛を比較的長時間にわたつて緩和もしくは消失せしめ,ひいては安静を確保できる薬剤の応用は,臨床的にも,甚だ望ましいことと云わねばならない。
 最近,所謂人工冬眠法の主体をなす薬剤たるクロールプロマジン12.5mgにグレラン0.2g及び塩酸ジフエンヒドラミン20mg (抗ヒスタミン剤)を含んだグレラン製薬株式会社製(1管2cc筋注用)ノブロンは,その構成々分からみてこの目的に添い得るように思われるので我々は白内障,緑内障,斜視その他の手術患者54名に対してその効果を追察してみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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