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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻6号

1957年06月発行

文献概要

日本トラホーム予防協会会誌

有明海沼岸福岡県山門郡大和村(中島,古開,皿垣地区)トラコーマ家族検診成績に就て

著者: 南熊太1 馬場春巳2 内田政理3

所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室 2田川市立病院眼科 3弓削國保診療所

ページ範囲:P.26 - P.28

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 福岡県山門郡大和村はトラコーマ極めて多く当時の進駐軍福岡民事部よりの勧告もあつて,当時の久留米医科大学眼科教室南熊太等は昭和24年7月,大和村学童を検診して,中島小学校82.0%,大和小学校69.9%,皿垣小学校46.5%及び之等の小学校関係の大和中学校68.2%(何れも疑似症を含む)のトラコーマを発見し,其の極めて高率なのに驚くと同時に直ちにその治療,予防対策に着手したのであるが,元来トラコーマは学校病と言うよりもむしろ家庭病であるから治療,予防の対象となるのは学校に終始すべきものではなく,家庭の全員,村住民の全員を対象とすべきであると考える。
 そこで村住民全般のトラコーマの概略を知るために,前記3小学校区内にて,その代表として漁業を主とする中島(51戸),農業及び農漁兼業の古開(30戸),農業を主とする皿垣(10戸)……計91戸……445名を検査したのでその大略を報告したい,(各家庭に就ての家屋の衞生学的状況,家族各人の身体全般及び各部の清潔度及び共同浴場等を含めての衞生全般とトラコーマ罹患率との関係等を岡野教授始め当時の久留米医科大学,衛生学教室関係者,衛生部学生,眼科学教室員及び関係学生一同にて調査したものの中の主として眼科関係の一部分である。各部分に就て及び其の詳細は夫々別に報告の筈である)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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