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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻6号

1957年06月発行

文献概要

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ワカビタン眼軟膏の使用経験

著者: 坪井彪1 藤江容1

所属機関: 1横浜市立大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.945 - P.947

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 Vitamin B2が眼科領域に於いて繁用されて居ることは多数の報告に見られる所であるが,従来注射が主として利用され,特に結膜下及び球膜下注射が多用されている。たまたま我々は「わかもと製薬株式会社」より簡便に使用出来る1g中にVitamin B210mg (Riboflavin 5-phosphatemonosodium FMN-Na 13.7mg)及びVitaminB65mgを含有するワカビタン眼軟膏(以下W-Sと略す)を得て之を2〜3眼疾患に使用する機会を得たのでここにその結果を報告する。
 Vitamin B2(Riboflavin)は水に難溶(水100cc中12mg溶解)な橙黄色針状結晶で,緑色螢光を発し熱,酸には安定であるが,光には極めて不安定でアルカリ光分解でルミフラビン,酸光分解でルミクロームを生ず。生体内では遊離の形そのままでは効果なく,燐酸エステル即ち小腸上部よりFlavin mononucleotide (FMN)となつて吸収され,更に肝,腎でFlavin adenine dinu-cleotide (FAD)となり,之等が蛋白質と結合してフラビン酵素系の補酵素として生体内の酸化還元に関与している。之等燐酸化過程の一部は血液細胞,筋肉組織でも行われる。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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