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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻8号

1957年08月発行

文献概要

臨床実験

房水静脈の観察—Ⅲ.アミールニトリツト吸入に依る影響,特に眼圧の推移との関係

著者: 岡信次郎1 上野一也1

所属機関: 1京都大学医学部眼科教室

ページ範囲:P.1109 - P.1116

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I.緒言
 房水静脈がShlemm氏管より起り少くとも前房水の主要排出路の一つであると云うことはAscher (1942)に依る該静脈発見以来幾多の研究に依り一般に認められているところである。
 併し房水排出に依る眼圧調整機転が如何程の比重で戻水静脈にかゝつているかと云うことについては多くの説はあるが未だ明確な結論は出ていない。この点の解明の為の臨床的観察として我々は房水静脈の房水含量の消長即ち房水静脈を経由する房水排出量の消長と眼圧の変動との関連性について種々の方面よりの観察3)4)を行つている。その一つとしてアミールニトリツト吸入試験を行つた。緑内障のアミールニトリツト吸入試験については,G.Cristini及びPagliaraniの研究6)があるが,その作用機転等はさておき,この薬剤吸入が眼圧の変動を起し而もその作用が迅速にあらわれ,且割合手軽に用いられ得る故,これを用い実験を行つた。即ちこの薬剤吸入後の眼圧の変動とその際の房水静脈内房水量の変動を観察して両者の間の関連性について比較検討したのである。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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