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臨床実験
生後3ケ月6日目の乳児に見たる霰粒腫に就いて
著者: 南ミツ1
所属機関: 1久留米大学医学部眼科学教室
ページ範囲:P.1120 - P.1122
文献購入ページに移動霰粒腫は,マイボーム氏腺の慢性肉芽性炎症にして,其の発育は可なり徐々なるものにして,Prof.Dr.W.LohleinはKurzes Handbuch derOphthalmologie(1930)に於てChalazionはKindersaltelrに於てはnur sehr seltenに見るに過ぎずと述べ,Prof.Schreiberの執筆されたGraefe-Saemisch,Handbuch der gesamtenAugenheilkundeの眼瞼疾患篇(1924)に於てChalazionはim kindlichen Lebensalter selt-ner sind:にして,氏自身は4〜6歳の小児に於いて経験されている。即ち同氏が経験されたものは4〜6歳が最も年少者と思われる。
以上の様に,霰粒腫は小児期に於いては極めて少く,特に,乳児期に於いては尚ほ更に,稀なるものと思わるるが,南熊太氏は昭和14年2月日本眼科学会雑誌上に於いて『生後4ケ月22日目の乳児に見たる霰粒腫に就いて』報告されているが之は,其の当時に於いては文献中,恐らく最も年少者ならんと考えられる例であつた。
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