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臨床実験
緑内障に関する研究 第15編—緑内障の早期診断成績
著者: 湖崎弘1 武田真1 満田博年1 東郁郞1 中谷一1
所属機関: 1大阪大学医学部眼科
ページ範囲:P.1123 - P.1128
文献購入ページに移動緑内障は現今迄数多くの人々によつて,種々研究されて来たが,尚その本態は不明であり,罹患率も高く,予後は一般に不良で,而もその早期診断はなかなか容易ではない。また老人に多く見られるので,初期は屡々老視として見逃されることもある。かくの如く緑内障は臨床上重要な疾患であるため,昨今欧米各地では,早期に診断を確定し,適切な指導方針によつて患者に療養方針を正しくさせ,希望と光明を与え,更に経過を観察し,又新しい薬剤や新しい早期診断法,治療法を試みるために別にGlaucoma Clinicを設立し,緑内障研究に多大の貢献をしている1)。
この趨勢に促されて,私達も新しく緑内障研究室を設け,主として早期診断と,一面緑内障の経過観察を目的として,各種の試験を施行している。尚検査は病室に余裕のないため,すべて外来で行つている。今回は約一年間の早期診断の成績について発表する次第である。
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