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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻9号

1957年09月発行

文献概要

臨床実験

血圧と関係ある2,3の眼底所見に就て(其の2)—網膜細動脈硬化と血圧及び年齢との関係に就いて

著者: 加藤謙1 松井瑞夫1 島崎哲雄1

所属機関: 1慶大眼科

ページ範囲:P.1191 - P.1197

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緒言
 従来限底の動脈硬化は一つの老化現象であつて硬化の程度は年齢と共に高度となるものと一般に考えられていた。併し近来2,3の学者特にScheie氏(1953)等は,網膜の動脈は大部分細動脈であり,この部の硬化は内膜性アテローム硬化と細動脈硬化の2つの形態をとるが,検眼鏡で容易に観察し得るのは後者即ち細動脈硬化であることを記し且つこれが高血圧に随伴し又高血圧の結果として現われるものと信ぜられることを述べた。又緒方氏(1956)に拠れば,細動脈硬化は老年病変化であつて老年性変化ではなく,血管軟化の素地の下に滑平筋の異常収縮により増進せられ高血圧と密に関連した病変であると解せられる。斯くして眼底を検すればその患者の持続性血圧上昇の有無と高血圧持続期間を,細動脈硬化の程度にもとずいて,かなり正確に(少くとも患者の記憶にもとずく不確実な自供によるよりは正確に)判定し得るとの見解が生れるのである。
 併しながら,このような見解が妥当であるか否かは未だ臨床的に充分に検討せられたわけではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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