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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科11巻9号

1957年09月発行

文献概要

談話室

Basal Iridectomy (英)とBasale Iridektomie (独)とは同じ意味ではない

著者: 須田経宇1

所属機関: 1熊大眼科

ページ範囲:P.1228 - P.1229

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 私はさき1)2)に虹彩根部に切開を加えて,その際生ずる虹彩根部片を180°廻転させて鞏膜又は角膜切開創に巌頓させる手術法を虹彩根部嵌頓術basal iridencleisis又は周辺虹彩嵌頓術peripheral iridencleisisと称して発表した。即ちbasal iridencleisisとperipheraliridencleisisとを同意語とした。このbasal iriden-cleisisはStallard3)の論文によつたのである。
 一般に対緑内障手術中の虹彩切除はGraefeが示した様に虹彩を瞳孔縁から根部までを,而も根部を広く切除するのが原則である(B図)。この場合は瞳孔は正円を得られないので視力は多少悪くなる。若し緑内障が軽く,瞳孔にかけないで虹彩の根部丈を切除してその目的が達するならば瞳孔は正円が保たれて視力も低下せずに済むのでよろしいのである(A図)。前述の周辺虹彩嵌頓術もこの意味に他ならない。ところが虹彩切除の場合basalの意味の取り方が独逸系(又はヨーロツパ系?)とアメリカ系では異なるのである。独逸のMellerの本4)ではBasal Iridektomie nach Pflugerとして虹彩根部のみの切除を示している(A図)。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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