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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻1号

1958年01月発行

文献概要

臨床実験

レゾヒン投与を試みた乾性角結膜炎患者の1例—倉知教授就任15周年祝賀論文

著者: 別所富夫1

所属機関: 1金沢大学医学部眼科学教室

ページ範囲:P.61 - P.65

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I.緒言
 1933年〜1941年にわたりSjögrenは涙液分泌減少を伴う糸状角膜炎患者について,臨床的,並びに組織学的に詳細に研究し,之は口腔及び上部気道の乾燥,唾液腺の腫脹,慢性関節炎等を伴う一種の全身病の眼症状であることを明らかにし,此の眼症状を乾燥性角結膜炎と名付け,全身的に現われる症候群を「Dacryosialoadenopathia a-trophicans」と呼ぶことを提唱した。1936年,Grószは之等の症候群をSjögren's Syndromと呼んでいるが,既に1926年にフランスの皮膚科医のGougerotは唾液腺並に結膜,口腔,鼻腔及び喉頭の粘液腺の高度の萎縮を来す症候群を認め之は恐らく内分泌或は血管運動神経の原因不明の障碍に基くものであろうと報告しており,Duke-ElderはGougerot-Sjögren-Syndromと記述している。欧米では本症について極めて多数の報告例があるが,我国では比較的少く,昭和13年,はじめて岡島が報告し,次いで昭和16年河合により追加報告された。其後,田坂,前田,佐古,奥田,宮沢,小原,板垣,船津等により発表されているが,諸氏の例を合してもSjogren只一人の報告例数にも及ばない状態である。私も一例を診察,治療する機会を得たので追加報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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