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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻1号

1958年01月発行

臨床実験

ベニシリンVの眼内移行について

著者: 近藤有文1

所属機関: 1東大分院眼科

ページ範囲:P.85 - P.87

文献概要

 ペニシリン(以下PC)の経口投与が従来あまり用いられなかつたのは,PCが酸に対して非常に不安定で,経口投与すると胃内で破壊されるため大量を必要としたのによるが,このため主として小児科領域で胃酸酸度の低い幼児に一時用いられていたに過ぎなかつた。しかしPCの大量生産が順調になつてから,PC療法の大半は注射療法が占めるようになり,径口投与は殆ど顧りみられなかつつたといつてよい。しかるに我国ではたまたまPCの副作用が過大に報道された結果,注射よりも重症な副作用の少い経口投与が検討されてきた。こゝに登場したのが,酸に対して安定で経口投与に適しているPCVである。
 PCVは米国では1955年より,我国ではそれより一年遅れて市販されたのであるが,PCVは既に947年Behrens等により合成されており決して新しいPC剤ではない。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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