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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻10号

1958年10月発行

文献概要

臨床実験

前円錐水晶体の1例について

著者: 安藤郁夫1 氏家正夫1 村谷力2

所属機関: 1岩手県立盛岡病院眼科 2岩手県立盛岡病院内科

ページ範囲:P.1325 - P.1328

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 前円錐水晶体は1875年Websterが24歳男子の両眼に斜照に依り水晶体前極部が円錐状に前房中に突出しているのを認め,その状態が円錐角膜と類似しているのでこれを前円錐水晶体と称したのが嚆矢である。その後1880年Van der Laanの24歳男子例,1890年Nennemannの20歳女子例,1910年Jaworskiの32歳男子例,1922年Freyの43歳男子例1923年Riedlの36歳男子例と我が国最初の例である石津の2例(1例は22歳男子例で他は19歳女子例)がある。以後Weiss (1927年),Kienecker (1927年),Feigenbaum (1932年)の報告があり我が国に於ても石津のあとに1930年藤原の女子例,同年塚原の2例(1例は1歳男子例,他は17歳男子例),1936年出羽の17歳男子例,1940年美川の30歳男子例,1956年清水の2例,(33歳,30歳各々男子例で更に氏の私信によればその後4症例を数へている由)があり比較的まれな水晶体疾患である。
 私共は重篤な全身症状を呈し,内科にて入院加療中の一患者につき眼底検査を依頼され,偶然に該疾患を発見したのでこゝに報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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