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特集 手術
結膜嚢形成術
著者: 北野周作1 松林道雄1 弓狩昭八1
所属機関: 1日大医学部眼科教室
ページ範囲:P.1419 - P.1427
文献購入ページに移動結膜嚢形成術は単に癒着部を切り離すのみの小手術から,全結膜嚢形成に至るまで,結膜嚢の癒着,消失の性状或は程度に応じて,甚だしく異り,術式も多彩を極めているが,要は可及的正常に近い結膜嚢を得る事にある。従つて,欠損面を充填する材料を選ぶにしても,色,厚さ,光沢,分泌,柔軟度に於て結膜の性状に近いもの或はそのように変性し得るものがよく,その上容易に且つ十分得られ,生着力がよく,後になつて収縮・変形を来さないという条件を満足させねばならない。術式についても,適当な円蓋の深さを永続的に保持し,眼球・眼瞼運動を制限する事なく,又義眼装周の場合は十分之に耐え得る結膜嚢を作るべく,様々な考案がなされている。
最近の文献では,従来の口唇・頬粘膜移植の他に,屍体全結膜嚢1)2),同種皮膚3),腹膜4)5),臍帯6),外陰部粘膜7)等の移植材料の検討,derma-tomeの出現による表,乃至中間,皮膚移植の再認識8)9),合成樹脂剤による種々のConformer8)10)の考案等が新しい試みとして挙げられる。
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