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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻11号

1958年11月発行

文献概要

特集 手術

外斜視の手術

著者: 大島祐之1

所属機関: 1東京医歯大眼科教室

ページ範囲:P.1441 - P.1452

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 今までに発表されている斜視の手術々式の数は極めて多く,また術者それぞれが好んで用いる術式の細部を見ると,それは千差万別である。斜視の治療は吾国の眼科の分野で欧米に遅れているものの一つであるが,欧米においても決定版といえる手術法は確立されていない模様である。諸家の発表せるすべての手術法について批判を加えることは,浅学菲才の身の能くする所でないから,現在私が行なつている外斜視の手術方法を中心として述べることにする。なお斜視手術に関連する事項は,斜視の種類に関せず共通点が多いので以下に記すことはその盤あるいは所を変えれば,内斜視または垂直斜視に適用される点が多いと思う。
 斜視治療の目的は,両眼視機能の完全なる賦活すなわち機能的治癒を第一とする。しかし単なる器械的な眼位の修正すなわち美容的治癒または器械的治癒に甘んぜざるを得ない場合もある。これに関して具体的にはⅡ及びⅣで後述する。手術によつて直接に矯正されるものは末梢性の機構であるから,原則として術前,術後の視能訓練orthop-tic trainingを併用し,両眼視機能の矯正に努めねばならない。この事は小児の斜視手術に際して特に重要である。なお機能的治癒と器械的治癒との間には有機的な関係がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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