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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻2号

1958年02月発行

文献概要

日本トラホーム予防協会会誌

トラコーマ診断の問題からト症候名説への主張

著者: 鈴木宣民1 小林清房1

所属機関: 1千葉大学眼科

ページ範囲:P.13 - P.16

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緒言
 眼科学界に於けるトラコーマの論争は,之を其の診断の問題に限定しても,甲論乙駁して盡きる所を知らない。然し乍ら現実に,例えば広く行われている集団検診に於て,医師が学童其他の被検者に「トラコーマ」の診断を附する事は,それが本人並に家庭に対して有する大きな影響の為に慎重を要する事は勿論であるが,問題が更に国際的な移民の検診に及んで,その人の一生をも左右する「トラコーマ」の診断のもたらす悲劇,不幸に至つては,之を単に個人的事件として看過する事は許されない人道的な問題でもある。我々は日常の外来に於て,集団検診其他にトと診断され精査又は治療を希望して訪れる患者に屡々遭遇し,その所見からトの診断基準が個々の医師によつて如何に区々であるかを痛感させられる事が多い。
 この様なト診断の実情にかんがみ,我々は結膜疾患,特にトに就て,集団検診に於ける診断と当科外来の診断とを比較検討し,更にパンヌスとの関係をも併せて興味ある成績を得たので茲に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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