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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻2号

1958年02月発行

文献概要

臨床実験

高血圧症に見られた黄斑部所見

著者: 菱実1

所属機関: 1東大分院眼科

ページ範囲:P.123 - P.126

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 東京大学公衆衛生学教室では昭和30年以降,現在勤務中の東京都職員の血圧を管理しているが,その内で血圧の高い者を選び出し,更に全身的に精密検査を行つたが,吾々の教室では其の内の眼科的検査を分担した。今回は其のうち特に黄斑部所見に就て述べる。
 黄斑部は網膜の内でも視器として機能的に最も重要な場所であるが,網膜のうちでも分化程度が高く,種属発生的にも又個体発生的にも遅れて発生する高等な部分で,其れだけに又何か障碍のあつた場合に最も侵され易い部位である。然し乍ら吾々の日常臨床の眼底検査に当つては黄斑部は見にくい場所で,或は角膜反射の為微細な所迄よく見えなかつたり,又散瞳してさえ人によつては羞明の為見にくゝ,兎角見過され易い場所である。此の点を注意して黄斑部を特に祥細に観察した例が500数10例あるので,其の結果得られた変化に就て述べ,更に二三のものに就ては外来患者の例も加えて考察してみた。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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