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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻2号

1958年02月発行

文献概要

臨床実験

Orbitonometryに関する研究—第1報 正常者について

著者: 植村恭夫1

所属機関: 1慶大眼科学教室

ページ範囲:P.127 - P.131

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緒言
 現在迄欧米に於ては,Copper始め多くの人々により,眼窩疾患の診断並に治療効果の判定の為に,Orbitonometryの必要性が唱えられて来た。我々は通常眼窩疾患に遭遇した場合,眼窩内の状態を知る為に,多くは閉ざされた眼瞼上より指頭をもつて眼球を後方に圧迫し,其時に感ずる眼窩内組織の抵抗の強弱,換言すれば眼球の眼窩窩内への後退の難易性より眼窩内の状態を判断することが多い。此の方法は恰も眼圧を触診法によつて判定する方法に似ている。かゝる方法によつても正常範囲より高度の変化は識別出来るが,かゝる大ざつぱな方法では充分な識別能力を欠くことは云うまでもない。茲に之を数量的に表す他覚的検査法の必要性が起つて来る。此のOrbitono-metryに就ては,諸外国に於ては数多くの業績が報告されているが,本邦に於ては僅かに青池氏が,眼窩腫瘍にこれを応用し,其の必要性を力説しているに過ぎない。著者も今回Copper等にならいOrbitonometerを試作し,これを種々の眼窩疾患に応用し,若干の知見を得たので茲に報告する。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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