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文献詳細

雑誌文献

臨床眼科12巻2号

1958年02月発行

文献概要

臨床実験

点状表層角膜炎に関する統計的観察

著者: 竹内梓郞1 大内円太郎2

所属機関: 1大川病院 2岡山大学眼科

ページ範囲:P.189 - P.194

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Ⅰ.緒言
 点状表層角膜炎(以後KSPと略す)は流行性角結膜炎(以後EKCと略す)の経過中に屡々起り,視力障害を胎す最も不愉快な合併症である。EKCの特効薬のない今日ではKSPの併発を阻止する様に努めるか,たとえ合併しても増大せぬ様に努める方法しかない。KSPの併発率を下げるためには抗生物質とコーチゾン系薬物の併用療法,サルフア剤投与或はチスチン投与等の方法もあるが,完全に合併を阻止するものではないKSPを合併すれば少しでも早期に発見し直にコーチゾン系薬物等による治療を行わねばならない。
 処がこの早期診断に関して初発症状の詳細は成書にも比較的明確に書いてない。又文献によると早期診断法として呉1)はKSPの初期に角膜周囲の循環障碍(充血鬱血)を角膜顕微鏡で認めると云う。又稲富2)はKSPに先立つて角膜知覚障碍を来すと云う。処が之等の方法も多忙な実地医家には完全に応用し難い憾がある。

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1308

印刷版ISSN:0370-5579

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